• 第1回 羽毛のすべてを知る人
  • 第2回 いい羽毛を求めて
  • 第3回 羽毛ふとんの匠たち
  • 第4回 一枚の中に込めるもの

第2回 いい羽毛を求めて

──
羽毛は、どういった国に買付けに行かれるんですか?
奥谷
原毛を主に供給するのは、東ヨーロッパですね。
すなわちハンガリー、ポーランド、ルーマニア、セルビアといった旧社会主義国。
その当時からずっとお付き合いしているパートナーが今でもいますよ。
──
野菜や肉であれば、農家の姿勢や環境を見ると思いますが、羽毛の場合はどうなんでしょうか。
奥谷
うちのオーナーからはこう言われています。
「自分たちの目で良質の羽毛を直接買いなさい」と。
それが、東京西川の原料の鉄則になっている。
ではどうするかというと、農場を一軒一軒回るしかない(笑)。
第2回 いい羽毛を求めて
──
地道に、地道に。
奥谷
やっぱり現地に行って、農家の人々の顔を見て、話をする。
「今年の獲れ高はどうなの?品質はどうなの?」と。
ただし農場から直接買うのではなくて、農家から集めた原毛をある程度加工して輸出する会社が現地ごとにあります。産業の育成や保護をする意味でも、そうした会社を通じて購入します。
ポーランドの場合だと、40年以上のお付き合いの会社がありますね。
──
40年!とても長いお付き合いですね。
奥谷
だからこそ、品質の良いものを渡してくれる。
東京西川には絶対にごまかしはできないって。
第2回 いい羽毛を求めて
──
現地の方もパートナーとして大切にしてくれている。
そう実感できるでしょうね。
奥谷
僕らの気持ちを理解してくれるし、彼らの気持ちも理解できる。
大切なのは、購入先の国全体の価値を落とさないことも、長く良質羽毛を供給頂ける重要なポイントです。
あと、景気の悪い時も良い時も、このくらいは絶対買うよと約束するんです。
安心して品質の良い羽毛をつくってもらうのがいちばんいいから。
──
今年は売れてないから買わない。そういうことをしない、と。
奥谷
ええ。何十年築いてきた関係が崩れてしまうから。
パートナーとして、裏切りをしない。
ずっと継承されてきた相手を信頼することが、僕は、羽毛の世界でいちばん大事だと思いますね。
──
羽毛ふとんづくりについて教えてください。
洗浄の作業が大切とお聞きしましたが…。
奥谷
良い原毛はやっぱり水をたくさん使って、洗濯機の中で泳がして洗ってやらないと、せっかくの良い原毛の質が死んでしまうんですよ。
例えば、ヨーロッパから入ってきた原毛を洗浄するとき、アヒルとガチョウでは洗い方が違うわけです。
──
種類によって洗い方が違うんですか。面白いですね。
奥谷
アジアの鳥とヨーロッパの鳥でももちろん、洗い方を変えますね。
これは食べるエサや肥料など、色んなことが影響します。
──
東京西川では、洗浄を何度も繰り返されますよね。
コスト面はどうなんでしょう?
奥谷
コストはとてもかかります(笑)
でも、そこまでやることで綺麗な羽毛ができあがるし、丈夫で長持ちする羽毛ができる。
水と、もちろん洗剤にも気を配りながら、コストと時間をかけてでもやる。
羽毛ふとんは以前に比較して小売価格はお買い求めやすくなったと言われていますが、寝具の中では今でも高価なお買い物とお客様は思っています。だからこそ、質の良い眠りをご提供する為にはこうした事が欠かせません。
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