いい原毛は、自らの足で稼ぐ。
羽毛のプロ・奥谷さんは笑った。

自分の目で選び、良い原毛を買う。
東京西川の羽毛ふとんがとても大切にしていることだ。上質な羽毛の生産地である
ポーランドなどの東欧に担当者が足を運ぶ。「今年の品質はどう?」。
そんな言葉を交わしながら、生産者との信頼関係を築き、羽毛の品質を見極めていく。
40年以上の付き合いのパートナーもいるという。名誉羽毛ふとん診断士・奥谷さんは言った。
「東京西川はごまかせない、現地ではそう恐れられてるかもね(笑)」

天然水で洗う。いや、磨くんです。
洗浄担当・直井さんはつぶやいた。

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原毛には、ニオイの元となる油脂分や不純物がある。
そこで、良質な水と洗剤で何度も洗浄をくり返す。
「丁寧に丁寧に洗います。羽毛に必要なハリを残しながら」と、直井さん。
東京西川の基準は厳しい。業界基準の2倍の長さ“1000mm透視度計”でチェックしながら、
洗った水が透きとおるまで洗浄をつづける。洗うことは、羽毛を磨くことだから。

業界基準の2倍の長さ!1000mm透視度計。排水の清浄度がはっきり確認できるまで洗浄する。

使うのは、本気をだしたダウンだけ。
フレッシュアップ担当・藤田さんが
教えてくれた。

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「うちのふっくら感には、秘密があるんです」。
フレッシュアップ担当の藤田さんがそっと教えてくれた。東京西川では、
羽毛本来のチカラを引き出す“フレッシュアップ加工”をほどこしている。
蒸気を与え、乾燥・除塵。その後選別を行い、羽毛を大きく大きく開かせる。
どこまでも、不純物を取り除くために。あなたの手で、確かめてみてください。

厳しすぎる!と、ヨソの方は驚かれます。
検査員・木暮さんは誇らしげだ。

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「羽毛は、天然のもの。だからこそ…」検査員・木暮さんは続けた。
「気候や発育状況によって、羽毛の品質は違ってくるんです」。
そこで、東京西川では厳しい8項目の検査を行っている。
何度も何度も、検査員が確かめていく。東京西川にふさわしい羽毛か、そうでないか。
たしかな品質を、お客さまに届けるために。その姿勢は、ずっと変わらない。

私が特許なんて意外かしら?
縫製のプロ・高久さんは頼もしい。

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使っているうちに、羽毛が片寄る。そんなお客さまの悩みを解決するキルトがある。
それが、ソリッドステークキルト(特許登録済み)。
開発したのは、縫製のプロ・高久さんだ。「羽毛が隣のマスに移動しない完全立体キルトなんです。
だから、長く使ってもあたたかさがつづきます」
彼女のそばには、いつも若い社員の姿がある。技術を学ぶために、受け継ぐために。
まるで先生と生徒、親と子のようだ。

そのタグが、東京西川のすべてを語っている。
工場長・渡辺さんは言った。

東京西川の羽毛ふとんには、責任票というタグが縫いつけられている。
縫製、検査、検針の各担当者のハンコが押された一枚。
責任票と品質表示票をたどれば、いつどこで誰がつくったのかはもちろん、
いつどこから原料を輸入したかまで分かる。工場長の渡辺さんは言う。
「ひとつの工場で、羽毛ふとんを一貫生産するからこそできることです」。
小さなタグが東京西川の「ものがたり」を語っている。